プロローグというやつか(青) ページ5
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妄想というものをすると案外時間は早く過ぎる。昔から考え事をしてたら、授業が終わってるとかよくある。なにって、新しいゲームが昨日発表されたからやろ!
シリーズじゃない新しいソフトが出るらしいから、そっちのチェックもしないといけない。でも新シリーズのソフトもあるし、リメイクもあるし、拡張版も出るしで大変。
好きなゲーム会社、好きな絵柄、好きな声優、あと面白そうな設定って悩んでたら時間なんてあっという間。
でもそんな時間も幸せなわけで、お昼になったから階段で上の階に行った。三人ともしげと神ちゃんは同じクラスやけど、流星は一個隣。先に流星を起こした方が早いと思ったので、そちらに行くことにした。
「あの、流星いますか。」
一応先輩、やから最初は藤井先輩って呼んでた。もちろん、しげも神ちゃんも先輩って。でもみんな揃って嫌そうな顔をした。
なに言われたって知らんで、といつも通り呼べば、いまでは同級生の人が当たり前に呼びにいってくれる。流星はやっぱり寝ていたらしく、寝起きって顔をしていた。
「あ、髪跳ねとる。」
「え、どこ。」
「ちょっ、直すから待って。」
そうそう、高校に入ってから俺は背が伸びた。元から身長が小さいわけではなかったけれど、というか高い方。俺らのなかだと流星が一番背が高くて、それが羨ましかったのが昔のことだ。
「…望、なんかでかなった?」
「どうやろ、まだ計ってへんからわからん。」
「…嫌やなぁー、望に越された。」
「なんで。神ちゃんもしげもそう言うよな。」
「そら、俺らの可愛い可愛い弟、やからやろ。」
「そうか?可愛くないって言われるで。」
「俺は、ずっと可愛いって思っとるけど。
ドキッ、ってゲームやったらときめきどころやったな。でも男に可愛いってなんなん。
そういえば、しげと神ちゃんの背を越したのは中学生の頃で、それに気づいた二人はすごく嫌そうな顔をしていたのを覚えている。まぁ確かに、一歳差っても差はあるからな、幼稚園の時なんかよく頭撫でられたっけか。
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作者名:律斗 | 作成日時:2019年7月3日 17時