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「あぁー、いい匂い…お腹すいた。」

「まだ早いって。」

「でもええなー、こう出来上がるって時の甘い匂い。」

「そうやな、上手く出来てるとええな。」

「俺のだけおいしなかったらどうしよ。」

「大丈夫やって、のんちゃんは上手い方やから。」

備え付けのオーブンで焼いている間、甘いいい匂いがしてきた。腹が鳴りそうになったが、我慢我慢。お菓子作りは大変やけど、出来上がる時の匂いはすごく好き。でも不安は不安。美味しくなかったらどうしよって、神ちゃんやから心配いらんけどな。

「ええやん、綺麗に焼けたな。」

「ホンマや、さすが神ちゃん。」

「のんちゃんが作ったやつやろ。」

思いの外綺麗に出来上がっていた。
神ちゃんのと比べたら、歪なものはあるけれどもひとつ味見してみた。やっぱ美味しいなー、甘いもんって食べると幸せやわ。

「これ、のんちゃんの分な。」

「いいん?こんなに貰っても。」

「言ったやろ、代わりにのんちゃんのは俺が貰うって。交換やね。」

「え、ホンマに神ちゃんが食べるん?」

「だって、そういう約束やろ?」

「そうやけど…。」

「大丈夫、しげと流星には俺からあげとくし、悪いことないやん。」

「…うん。」

無理やり過ぎない?って言いたくなった。でも約束は約束。作った半分は神ちゃんにあげると、すごく喜んでいた。神ちゃんの手には赤い袋と青い袋にラッピングされたクッキー。あれが二人に渡すやつか。
まぁ、神ちゃんから渡したら確実やし、これで流星も文句言わんと思う。




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3→←お菓子作れたら、モテる?(緑)



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作者名:律斗 | 作成日時:2019年7月3日 17時

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