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スイーツみたいに甘くない(緑) ページ15

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「神ちゃん、お待たせ。」

「大丈夫、そんな待ってへんよ。」

今日は神ちゃんと放課後に約束をしていた。最近の神ちゃんの流行はタピオカらしく、毎日飲みに行っているらしい。
俺と同じく甘いものに目がない神ちゃんとは、たまにこうやって一緒に繁華街に出てスイーツ巡りをするのだ。

流星やしげはそういうのには疎いし、女子かって笑われるのがオチ。でも神ちゃんはそんなこと言わんし、神ちゃんの方が女子力高いから気にならん。小柄だけども食欲旺盛で、でもダンス部だから太ってもいない。羨ましいと思うけど、こうやって俺にも教えてくれる心強い人。

きっと時間だって待っていただろうに、待ってへんよって笑ってくれる。でもわかっとるよ、さっきまで携帯でゲームしとったの。

「なぁ、今日はどこいくん?」

パンケーキ、パフェ、タピオカ、クレープetc.
いつも神ちゃんに委ねてばかりだが、俺はついていくだけで、ほとんど行き先を知らない。行きたいとこあったら言ってな、そう言われるけれども、あんま自発的になったことはない。

「そうやなー、今日はゆっくりしたいかなー。」

「そうやね、まだ時間いっぱいあるし。」

「ほら、行列並ぶのええけど、あんま駄弁られへんやろ。」

放課後の時間は特にそうだ。俺らと同じような目的で学生が並ぶわけで、ざらに一時間とか当たり前。俺も並ぶのは苦じゃないけど、神ちゃんの気分はおしゃべりらしい。

「…ならケーキがいいかなぁ。この前連れてってもらったとこのケーキ、めっちゃ美味しかった。」

「ええな、あそこならゆっくり出来るし。」

立ち寄った店は今流行りだからと行列が出来るような店じゃない。でもだからって閑散としているわけでもない。イートイン席はわりと埋まっていて、同じようにゆっくりとティータイムを楽しむ人たちの姿がちらほらといた。
定番のショートケーキかチーズケーキか、はたまたチョコレートか悩んで、あげくにフルーツのタルトにした。神ちゃんは欲張って2つにしている。

「そういや、バイト先でしげがラテアートしとったわ。」

「ラテアート?」

「これ、練習中やねんて。しげらしくないなーって言ったら怒ってたわ。」

スマホの画面を見せた。それは前にしげに奢ってもらったカプチーノの写真。なにが描かれているのか、一拍置いてわかったみたいだ。




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作者名:律斗 | 作成日時:2019年7月3日 17時

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