とても不思議で賑やかな国があるらしい「３」

68話【お人形】km ページ5

かみ「おぉ…これまた味のある」

そう呟いたかみぶくろの手元にあるのは、よく言えばアンティークな、悪く言えば古臭い年季の入ったくるくるの赤毛が特徴的な西洋の人形だった
何故こんなものがあるのかと言うと、外交相手の国からいくつか届いた荷物のうちの一つなのだ

かみ「…動いたりして」

君が悪いほど精密に作られた人形は今にでも動き出しそうだ
だがどこか興味を惹く
人形を持ち上げて、くるっと一周回して服などを見てみたり、人形特有の球体関節を動かしたりしているうちに、なんだか愛着が湧いてきた
あ、そうだまだ仕事終わってない
散らかった荷物の包装を片付け、人形を放置するのもなんだかなぁと思い、その人形をいつも仕事をしている机に扉のほうをむけて座らせてあげた。
よくみたら可愛いじゃん


しばらく黙々と書類をしていると、ノックが数回鳴る


かみ「どうぞー」

はぁな「かみ荷物どんなん入って…うわっ?!」

外交相手から届いた荷物の内容を聞きにきたはぁなが、自身の方を見つめる人形に悲鳴をあげた

かみ「こんなの入ってた」

はぁな「大丈夫？それ呪われてない？」

かみ「可愛いくね？」

はぁな「こっちむけんのやめて怖い」

かみ「ほれほれ」

はぁな「歯食いしばれ」

かみ「ごめんって」

はぁな「で、他には何入ってた？」

かみ「普通にお菓子とか特産品の羽毛布団とか」

はぁな「なるほど」

この人形そんなに怖いかな？と疑問を抱きつつ、はぁなと荷物について軽く話しているとまたもやノックが鳴った
来客が絶えない総統室にとってはこれでも少ない方だ

かみ「どぞー」

すぬ「報告sy……ひぃ？！」

かみ「報告書ね〜ちょーだーい」

すぬ「何その人形！怖！」

かみ「可愛いやろ」

すぬ「そんなもん可愛いとか頭狂ってんのかお前！こっち向けんなぁぁ！！」

かみ「そんなこと言うたら呪われんで」

すぬ「すいません美しきお人形様呪わないでください」

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