向日葵#24 ページ25
*
『何も、ない…。』
し「…」
しげは静かに、優しく私の手を掴んだ。
『しげ…?』
し「ほんまはっ…Aの口から言うて欲しかった」
段々、私の手を握る力が強くなる。
しげの声も震えている気がした。
し「A、夏入院するんやろ、?」
『えっ、何で、』
し「Aのおかんから教えて貰った」
『母ちゃん、言わんでって言うたのに、』
怒りと悲しさで、感情がぐちゃぐちゃ。
『知られたくなかったんに、3人には知られたくなかったんにっ!!…』
つい声を荒らげてしまった。
し「Aっ…」
私はとうとう、しげの前で泣いてしまった。
し「A、そんなに嫌やったか…」
『心配かけたくないしっ…迷惑かけた…ないっ』
しげの身体が優しく私を包み込む。
そして、
抱きしめる力が強くなる。
私は驚いたのと、安心したのとで
しげの裾を思わず掴んだ。
し「ええやん、いっぱい迷惑かけてよ?
俺、Aの力になりたいねん。」
『っうぅ…』
し「逆に俺、この事ずっと隠されるんが、すごい辛かったんで?」
なんて言いながら微笑んでるような気がした。
『ご…っめ、ん…』
し「ええんよ、」
しげは、その後も暫く私の隣に寄り添ってくれた。
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作者名:さくらえび# | 作成日時:2017年8月11日 15時