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知念の泣いて少し腫れてしまった目も元に戻り、
涙の跡も乾いた頃。
しんと静まる部屋でふたり、
ソファーに座ってお互いに体重を預けていた。
聞こえるのは、時々服が擦れる音と、
微かな呼吸の音だけ。
「なぁ、」
「ん？」
囁くくらいの小さな声でもちゃんと知念の耳に届く距離にいられるのが嬉しかった。
「これ、まだちねんが持ってな。」
知念の右手をそっと持ち上げて、
中指にさっき受け取った指輪をはめる。
「ふふ、なんかドキドキする。」
「えっ、ちょ、やめろよ、変に意識すんじゃん！」
くすくす笑う知念と、それにつられて笑う俺。
「でもりょーすけ、欲しいって言ってたじゃん。
いらないの？」
「いらなくはないけど。
今日あげるつもりじゃなかったんじゃないの？」
渡し方があまりにも不自然だったから。
「バレてたかぁ。
今日はね、僕、りょーすけに告白に来たの。」
「…、は！？」
「なにその間〜。」
「いや、だって、」
知念は優柔不断なくせに、
時々突拍子もないことをする。
知念の中ではたくさん考えた結果なんだろうけど、
そういう悩んでる様子をあまり人に見せないから、
こっちとしては突然の行動にびっくりしてしまうのだ。
「ふふ、びっくりした？
でもね、りょーすけが悪いと思うよ。
僕、まさかりょーすけが本気で僕がりょーすけのこと好きだって気づいてないと思わなかったもん。
気付いてるけど、メンバーだからとかいろいろ考えて何もしてこないのかなって。
だから、がんばってあんなこと言ったのに。」
“りょーすけは、もっと、僕のこと好きにしていいんだよ？”
その台詞が頭で再生される。
あれは、知念が俺のために身を削って言った犠牲の言葉なんかじゃなくて、意を決した告白だったのだ。
「…そりゃ怒るわ。」
「でしょ？」
「ごめんな、ほんと。」
「んーん、僕も出てったりしたのはやり過ぎだった。」
ごめんね、と知念は笑うけど、
どう考えても俺が悪い。
知念の涙がフラッシュバックして、
罪悪感でいっぱいになる。
もう絶対、二度と知念を泣かせたりしない。
全てを捨ててでも守りたい笑顔に、
俺は、出会うことができたのだから。
「ちねん。」
好き、も、愛してる、も、
たくさん言いたいことはあるけれど、
まず今はこれを一番に伝えたい。
「ありがとう。」
俺との未来を、選んでくれて。
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たいやき(プロフ) - めっちゃ良かったです〜！！（泣）個人的に１番最後のシーンが好きです(^o^)やまちねは最高ですね！！これからも頑張ってください！ (2019年11月1日 20時) (
レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - 恋桃さん» 最後までお読みいただきありがとうございました！！恋桃さんのコメント、とっても励みになりました（ ; ; ）きっとまたすぐ書きたくて堪らなくなると思うので、その時は是非読みにいらしてください！ (2019年4月10日 18時) (レス) id: c9b41bfb40 (このIDを非表示/違反報告)
恋桃(プロフ) - 完結おめでとうございます！！最後のシーンめちゃくちゃドキドキしながら読みました！！いつかまたりょんなさんのお話が読めることを期待してますね♪ (2019年4月9日 22時) (レス) id: 57441c0be9 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - 愉快@mokaさん» コメントありがとうございます^^全然神なんかじゃないですよ(>_<)でもとても嬉しいです、ありがとうございます(*´∀｀*)あと少しですが最後までよろしくお願いします！ (2019年4月8日 16時) (レス) id: c9b41bfb40 (このIDを非表示/違反報告)
りょんな - あひる☆さん» 最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです(*^^*) (2019年4月8日 16時) (レス) id: c9b41bfb40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りょんな | 作成日時：2019年3月31日 14時
