かずほく ページ42
side Hokuto
少し前の夢をみて、ふと目が覚めると隣で君が寝ている深夜2時半。
出来事は半年前に遡る。
レコーディングの帰り、たまたま帰りが一緒になってふたり歩いていると、昨日の夕飯の献立を聞くくらいのトーンで
ホク、俺のこと好きやろ
とまっすぐ目を見て言われた俺は、静かに頷くことしかできないくらいには彼のことが好きだった。
その日からお互いの家に行き来して、初めて体を重ねたのがそれから1ヶ月後くらいだったかな。
優しく名前を呼んで、優しく触れてくれる度に心臓の奥の方が締め付けられるような感じがする。
こんな風にたくさんの人を虜にしていったんだろうな、
俺のせいで "普通の幸せ" を与えてあげられなくなってしまった、
綺麗な奥さんと可愛い子供のいる幸せな未来が彼にはきっとあったのに、
いつか、いつかは離れなくちゃ、
いびきひとつすらかかない端正な横顔を見て、
この川村壱馬という男から自分は離れることができるのかと不安になる。
これ以上、好きにならないように予防線を張っていたつもりが、気付かぬうちに落ちるところまで落ちて、もう戻れないところまで来てしまっていた。
いつかは諦めてやるから、と静かな君に約束をして、徐々に意識を手放した。
.
朝、同じ時間に起きてリハに向かう。
今日の夜は涼太さんのお宅でワインを頂くことになってたなと思い出すけど、別に言うほどでもないかと言いかけた言葉をひっこめる。
こんな場面でやきもちをやいてしまうのは俺の方ばっかり。
嫌われたくなくて何でもないフリをするのはまだつらい。
リハが終わって涼太さんの家に着くと、「いらっしゃい」と満面の笑みで迎えられる。
あぁ、龍友さんの愛を一心に受けている人の心の余裕だぁ(？)と感じて羨ましく思う。
乾杯をして酔いが少し回ってくると、話もディープになってくる。
涼太「壱馬とはどうなの？一緒に住むとか考えないの？」
「一緒に、、ですか、、考えたことなかった、、」
「壱馬もやっぱひとりの時間ほしいだろうし、、」
涼太「北ちゃん、やっぱ好きになってもらった、って遠慮してるでしょ」
「……」
涼太「もっとわがままになってもいいんだよ」
「壱馬にはきっと普通の幸せが待ってるんです。俺との時間はその時がくるまで、です」
自分で言ってて妙に悲しくなって、溢れる涙が止まらなくて、だんだん眠くなってきて、そのままふかふかなソファーに身を預けた。
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ぴにに(プロフ) - KRRTさん» わぁ！ありがとうございます！じんりく良きですよね、、私もガッツリ書きたいと思っております！待っていて下さい〜！！ (2020年8月17日 10時) (
レス) id: 09c4359739 (このIDを非表示/違反報告)
ぴにに(プロフ) - サーシャさん» コメントありがとうございます！！泣いて喜んでますTT 甘々なかずほく書きたいですね、、亀更新ですが待ってて頂けると嬉しいです！ (2020年8月17日 10時) (レス) id: 09c4359739 (このIDを非表示/違反報告)
KRRT(プロフ) - じんりくのお話もっと読みたいです！ (2020年8月17日 6時) (レス) id: 99324aae1a (このIDを非表示/違反報告)
サーシャ(プロフ) - こんにちは！かずほくのお話が観たいです！2番目、4番目、5番目が気になります！結局全部観たいです！いつも楽しみに更新待ってます！ (2020年8月17日 6時) (レス) id: 880ba97b4c (このIDを非表示/違反報告)
ぴにに(プロフ) - きゃわんなさん» リクエストありがとうございます！同じ歳編に付け加えようかと思います！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: 09c4359739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴにに | 作成日時：2019年12月12日 2時
