“好き”の色【テニプリ】

運命だから【柳蓮二】 ページ47

＿＿＿俺には、彼女がいる。
可愛くて清楚で、何とも愛らしい彼女。
俺は、彼女を命を懸けても幸せにすると誓った。
このまま、幸せが続くんだろうと思っていた。
だが、それは間違いだった。


『……あ、蓮二』
サアッ……と風が吹き、髪がなびく。
「今日、屋上に呼び出したのは何故だ？」
『……ずっと、蓮二に隠していた事があるの』
「……何だ？」
『私、蓮二とはずっと一緒にいられない』
「は……」
『何故かは言えないけれど……今まで、ありがとうね。時効が来たら、もう会えない』

＿＿＿そういう、運命だから。
お前はそう言うが、俺は納得できない。
時効？何を言っているんだ、お前は？
俺はこんなにもお前が好きなのに。
なのに＿＿＿

『もう、時効だね』
「……もう、なのか」
『うん、時効……じゃあね』
夕陽が屋上に照らし出される。
余りのまぶしさに目がくらみ、思わず腕で顔を隠す。
まぶしさが無くなった途端に、腕を離すと、

＿＿＿彼女は、いなくなった。
俺は、その場にしゃがみ込む。
自然と涙が溢れてくる。
ふと自分の手に目をやると、小さなメモ用紙が握られていた。
俺はそれを見て、また泣いた。


『ずっと、好きでした』

＊解説→←鐘が鳴るまで【白石蔵ノ介】

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