“好き”の色【テニプリ】

リセット【鳳長太郎】 ページ12

「A」
『え、何？』
「ちょっと話してもいい？」
『いいよ。それで、どうしたの？』
「俺ね…好きな人ができた」
長太郎は顔を赤らめていた。
『……へえー」

出来るだけ、平然を保たないと。
長太郎に、私の想いがバレてしまう。

私と長太郎は、幼なじみ。
でも、性格は真反対。
優しくて気が利く長太郎に対して、
明るいけど気が利かない、私。

長太郎の想いが、私に向かないのは知っていた。
だって、真反対だから。

『……応援してるね、2人の事』
「ありがとう。……あ、同じクラスだよね？」
『うん』
「好きなタイプとか、聞いてきてくれない？出来たらでいいから！」
『分かった、聞いてくるね』
「だけど、俺に好きな人がいたって、Aは大事な人で、幼なじみだよ」
『ありがとう、長太郎』
「それじゃ、また明日ね」
『うん、バイバイ』

私がどうこうしようが、2人は付き合う。
だって、あの子の好きな人は、長太郎だから。

『応援……か』

そんなの、できっこない。
好きな人の、応援なんて。


『3、2、1 はい、全て元通り』


パンッ


軽く手を叩いて、私はこう言った。


“元通り”なんて言ったところで、リセットなんて出来ない。



(長太郎は幼なじみ、長太郎は幼なじみ、長太郎は……)


何回言ったところで、気持ちは変わらない。


『……長太郎にとって私は、ずっと“幼なじみ”か……』



＿＿＿１つだけ、言わせてもらおう。



Aごめんね、ありがとう。……バイバイ


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takiさん、78使わせて頂きました。
ネタ提供、ありがとうございます！

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