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5話 ページ6
一斉に皆の目は乾に向けられた
思わず握った拳の力が強まり、夜美は目を瞑る
乾「出てきて良いぞ」
乾の言葉により、背中から少しだけ覗く
大石「あれ？夜美さんじゃないか！いままでどうしてたんだい？」
A「……あ……」
真っ先に声を掛けたのは、大石だった
それもそうだろう、一番に部員の事を想っているのだから
夜美はどう応えようか迷ったが、結果、また乾の背中に隠れてしまった
こりゃ大変、といつもの台詞が大石の口からこぼれた
それはそうだ
夜美は、殆どの人を信用していない
だからこそ、人と話すのも乾以外苦手になってしまった
そして、その最もたる例が1人＿＿＿
菊丸「あー夜美ちゃん！何で部活来なかったの？俺、ずっと待ってたんだかんね！」
ぷりぷりと怒る菊丸
夜美には、その言葉は届いていなかった
A「……英二、くん……」
久しぶりにぽつりと呟いたそれは、誰の耳にも届いていない
近くにいた乾でさえ、ん？と聞き返す程なのだから
夜美は、今までの自分の事などとうに忘れ、気が付けば菊丸に駆け寄っていた
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