10話 ページ11
1日練習が終わり、夜美は道具の片付けをしていた
部活の風景を思い出しながら…
あの人たちは優しかった
自分が思っていたより、何十倍も
どうしてそこまで人に優しくできるの?
私には何も分からない…
人の気持ちが分からないわけじゃない
ただ、他よりも“感情”というものがよく分からない
でも、“恋”と言う感情は他よりも分かってる
変な感じ……
自分が自分じゃないみたい
夜美は心の中で疑問を抱いていた
人の言う“心”が分からない
だが、夜美に感情がない訳では無い
菊丸に対する思いも、嘘ではない
彼女は分からないのではない
知らないのである
自分自身の心の扉の
その扉が開かれるのは、そう遠くない未来にある
その事を知らないのである
菊丸「夜美ちゃん!」
不意に菊丸の声がテニスコートに響いた
考え事をしながら作業をしていた夜美は、手に持つカラーコーンを落としてしまった
菊丸は慌てて夜美に歩み寄る
菊丸「あわわ!大丈夫かにゃ〜?」
夜美「うん、大丈夫
急に声をかけられてビックリしただけだから」
そう言ってニコリと笑う夜美
菊丸は安心した顔をして、夜美と話を始めた……
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