NO.64 ページ20
ー幸村sideー
Aが、1時間目をサボった。
何かあったのかな?
そういえば、奈々と空き教室に行っていたような……
もしかしたら、そこで何か言われたのかな?
Aの事ばかり考えて授業に集中できない。
やめよう、Aの事を考えるのは。
だって、俺の彼女は___
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
その数分後に、Aが戻ってきた。
……あれ、目が赤いな。
もしかして、泣いていた?
暗い空き教室の中、1人で。
何か奈々と話してるな。
俺はAと話したくて、奈々に話しかけた。
当然の考えだろう?
彼女に話しかけるのは、彼氏として当然の事。
これでAと話すきっかけが作れる。
__だけど、ここで奈々が思いもよらない発言をする。
それは、Aが俺の事を名字で呼ぶ事。
どうして?
理由は、単なる嫉妬だった。
別に友達だからいいじゃないか……!
そんな怒りも届かず、俺はAの方へ目を向ける。
困惑している。動揺している。
それはそうだ。
現に俺だって、困惑しているし、動揺している。
……Aは、どう返すの?
A「分かった、じゃあ……幸村も私の事、名字で呼んでね」
了承してしまった。
ここで俺が嫌だと言ったら、2人はどんな顔をするんだろう。
だけど、愛しい人との関係を壊したくない、失いたくない……
幸村「……うん」
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作者名:spark | 作成日時:2019年2月12日 10時