【テニプリ】両想い≠ハッピーエンド【幸村精市】2 (ページ16)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:4,647 hit

NO.60 ページ16

幸村「……A」
A「え？」
幸村「俺……Aの事が好きだ」

精市が私を？
いや、あるわけない。

A「……じょ、冗談でもそういう事言うのやめてよ」
幸村「冗談なんかじゃない。俺は本気だよ」

精市の瞳は、ただ真っ直ぐ……私を捕らえて離さなかった。
それくらい、意志が強いことを表していた。

＿＿＿答えは？
精市が問いかける。
ほら、たった6文字言うだけだよ。

「ごめんなさい」

その6文字が、どうして言えないんだろう。
私には、蓮二が……彼氏が、いるのに。

悩んでいるうちに、あっという間に観覧車は下へと降りて行った。
同時に蓮二達の観覧車も着いた。
私は無我夢中で、蓮二の手を取って走り出していた。

幸村「A！」
奈「A！？」

限界まで達した。
もうこれ以上走れない。
だけどここまで来たら、追ってこない……よね。

柳「……A？どうしたんだ？」
A「蓮二！」

『＿＿＿好きって、言ってよ』

その言葉さえも出なくて、私の声は虚しく空に消えていくだけだった。