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其の漆は ページ10

カランカラン、と子気味のいい音が来客を知らせる


『いらっしゃいませー!』


ドアの方に足を進めようとして

げっ、と声をもらし後ずさる


「せっかくのお客様なのに酷いなぁ…。」


そう言って、泣き真似をする砂色の外套を羽織った長身の男性


『…太宰さんがいつも心中しようなんて変なこと言うからじゃないですか…。』


ため息をついて答えれば


「ここの店員さんにも迷惑かけてるんですか!?」


と、太宰さんの後ろにいた少年が顔を出す


『えと、君、新しい探偵社の人?』


そうです!と笑顔で答える少年


何だろう、太宰さんの相手をした後だと天使に見える…。


「中島敦です!よろしくお願いしますね。」


『四ノ宮Aです。よろしくね、敦くん!』


敦くんと話していると隣から視線を感じる

気になってそちらを向けば、太宰さんが。


「さて、Aちゃん私と心中する気になったかい?」


『さてもくそもないですね、嫌です。』


えー、と店の中で駄々をこねるので

国木田さん呼びますよ、と告げれば

それだけは勘弁、と大人しくなる


「Aさんは国木田さんともお知り合いなんですか?」


『国木田さんっていうより、探偵社の人とはだいだい知り合いかな。』


この店に探偵社の人たちはたまに飲みに来てくれる

そんな感じで探偵社の人とは顔見知りだ



「すみませーん!注文いいですか?」


『はーい!今行きます!』


仕事中だというのについつい話し込んでしまった


『ごめんなさい、まだ仕事中で。飲んでいかれますか?』


「これから探偵社に帰らないといけないので大丈夫です。」


「いや、敦くん。飲んでいこう。」


駄目です、とまたもごねる太宰さんを引っ張っていく敦くん

部下の方がしっかりしてるな…、と思いながら2人の背中を見送った

其の捌は→←其の陸は



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山田(プロフ) - ニアさん» 本当にありがとうございました!!楽しんで読んでもらえてとっても嬉しい限りです!!次回作頑張りますので応援よろしくお願いします!! (2016年8月30日 22時) (レス) id: a754744753 (このIDを非表示/違反報告)
ニア(プロフ) - 完結おめでとうございます!めっちゃ楽しく読ませていただきました。続編めっっっちゃ期待してます!! (2016年8月30日 21時) (レス) id: 94b9a5b982 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - 青紫@大将、始めました。さん» ありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです!頑張ります! (2016年8月30日 21時) (レス) id: a754744753 (このIDを非表示/違反報告)
青紫@大将、始めました。 - 完結おめでとうございます~!中也と夢主お幸せに!新作希望でお願いします! (2016年8月30日 20時) (レス) id: 200c5ad2c7 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - 小豆せんべいさん» わざわざありがとうございます!本当にありがとうございました! (2016年8月30日 20時) (レス) id: a754744753 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田 | 作成日時:2016年8月13日 18時

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