ねえ、先生。 (ページ36)

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私が英検の二次と学年末テストの準備をしているころ、

世間にはだんだん怪しい雲が広がっていた。

何十年ぶりだろうか。

世界中である病気が大流行し始めたのである。

世界はパニックを引き起こしている気がするし、

この国もその影響を少しずつ受けだしているように感じていた。

ただ私の住んでいる場所はまだまだそんな雰囲気はなくて、毎日がいつものように流れていた。

なんかすごい悪いことが起こっているのは分かってはいても、きっと大丈夫だろうと思っていた。

学生生活に影を落とすなんて思ってもいなかった。

毎日流れるニュースの話題がお昼の話題になることも少なくなかった。

だけど、私たちは同じように毎日を迎えていたし

学校の授業も、模試もこれまで通り行われていた。

学校も先生たちもなにもそういうことに関して何かを言うことはなかった。

迫りくる学年末テストに向けて、

皆が必死だった。

このテストでこの一年の成績が大きく左右される。

そしてそれが来年の受験に大きく影響する。

ある意味、今後の人生がかかるのだ。

職員室は毎日先生に質問をする生徒で埋まる。

私は準備室で阿部先生に教えてもらう。

阿「ここまででわからないところある？？」

「ここって…」

こんな会話もあと何回かしかできなくなるなんて、ね。