ねえ、先生。 (ページ35)

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2月14日。

バレンタインデー。

ものすごく緊張していた。

だって、決めたんだ。

阿部先生に渡すって。

本当はだめだけど、私は渡す方法がある。

準備室に行けば先生に渡せることを。

お菓子の持ち込みはOKの学校だから没収されることもない。

阿部先生はラムネが好き、という話を前聞いて、チョコの代わりにラムネを渡すことにした。

バレンタインデーで渡すお菓子によって意味があるみたいだけど、私は気にしないことにした。

ラムネにもなさそうだし、怪しまれることは、ないよね。

そう思って放課後、準備室に行く。

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「阿部先生、」

阿「ん、？」

「これ、」

渡すとき、もう少し可愛く言えるようになりたい。

と思う。けど、私にはできない。

阿「あ、今日バレンタインデーだから？」

「まあ、それもありますけど、いつもお世話になっているんで！！！ラムネ！！」

阿「あ、俺の好きなやつだ」

袋を開けた先生が好きなやつ～と言って喜んでくれたのがうれしくて。

阿「ありがとね。最近なくなってきたから買いに行こうと思ってたところだったの」

笑顔で言われてうれしかった。