ねえ、先生。 (ページ28)

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阿部先生は優しい先生だ。

優しいというか、年齢が近い分、話しやすいし、感覚が似ているんだと思う。

授業の時に、冬休みの話になって、

阿「学校の先生は勉強って言うんだろうけど人に迷惑かけない程度には何やってもいいと思うよ。高校のうちは遊びな」

なんて言うんだから。

阿部先生はどうやら高校時代スポーツをしていて、

その地方では有名な強豪校だったんだとか。

体育の先生がそう言ってた。

阿「まあ、そんな時代もあったね俺も。毎日部活で、勉強ちゃんとし始めたのも部活終わってからかな～」

なんて言うの。

でも勉強法を聞くといつも隙間時間でできることとかを教えてくれるから、いつもちゃんと勉強していたんだと思う。

冬期講習と普段の学校で違うのは

朝補習の有無と昼休みの長さと7時間目があるかないか。

冬期講習のほうが終わるのが早いから、

少しだけ楽だなと思う。

ただ、文系科目をひたすらやる分、飽きやすい。

メリットデメリットも考え方によるな、と思う。

友「A！！一緒帰ろー！！！」

この日は友達と帰るって約束していた。

彼女は運動部だからいつも部活が終わるのが遅くて、私がいつも先に帰っている。

なかなか時間が合うこともないから、うれしい。

友「そういえば、この前の模試で第一志望の判定が良かったの！」

「すごいじゃん、！」

友「えへへ！！ありがとう！！！」

運動部で勉強もできて、

目指すのは有名私立。

私とは釣り合わないかも、なんて思う。

でも、

友「Aにはピアノがあるんだから。誰にもない武器だよ」

って言ってくれる。

力強い言葉。