ねえ、先生。 (ページ24)

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演奏がどうだったかなんて聞かないでほしい。

いや、やらかしてはいないとは思う。

弾いたのは今年はやっている曲とジャズのバチバチに格好いい曲。

盛り上がってたし、終わってからの先生たちの誉め言葉もとりあえず受け取っておいた。

演奏がどうだったかなんて聞かないでほしいなんて言ったのは、

自分の演奏に自信を持ったことがないから。

夢を語るのは好きだけど、現実を見るのは嫌いなんだ。

“今年はAがいてくれてほんとに助かった！！”

本心で言ってくれる人がいるだけで救われて、その一瞬にかけてやるのなんて馬鹿げてると思う。

そんなバカげてる人間がここにいるんですけどね。

どうせ模擬店行ってもな～とも思う。

終わるまで何しようか。

自分のクラスの手伝い？？かな、なんて思って歩き出したら、

阿「鈴木。」

小さく私を呼ぶ声がした。

ぱっと振り向くと、

阿「ちょっとヘルプ」

なんて言って私を手招きした。

.

.

.

阿「ごめん！！あとでジュース１本買うから手伝って！」

どうやら阿部先生、実験を文化祭でするみたいで、1人でできると思っていたけど、不安になったみたい。

いやいや、理科の先生ほかにもいるんだから頼りなよ、そっちをって思ったけど、理科担当の先生ってなぜか知らないけど仲がいいイメージがそんなにない。

「いいですよ」

そう答えて準備を手伝う。

うちの学校の目玉イベントにもなっていたらしく、色んな人が理科室に集まってきた。