ねえ、先生。 (ページ23)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:28,963 hit

23 ページ23

文化祭当日。

学校内外から大勢の人が来る。

地元のテレビも入るぐらいだ。

朝、誰もいないステージでピアノを弾いてたら

阿部先生が

阿「今日楽しみにしてるね」

って声をかけてくださった。

それだけで頑張れる気がした。

皆が登校してくる時間になったらすぐに阿部先生は皆のところに行く。

つまり、私が阿部先生と話せる時間は終わり。

「今日、楽しみにしててくださいね」

先生が職員室に戻ろうとしたとき、私は先生に向かって言った。

阿「当り前じゃん。鈴木さんのピアノ楽しみにしてるね！」

そんなに笑顔で言われちゃったら余計な緊張までしてしまいそうだった。

.

.

.

午前のステージの部のオオトリを任されて、

舞台裏で思わずため息がこぼれる。

“なにやってんのさ。”

あんたなら大丈夫だよって背中を押してくれる文化祭実行委員長兼私の唯一といっても過言ではない友達。

“阿部ちゃん先生もいるんだから”

って、ああ、やっぱり君は気づいてたんだねと思う。