ねえ、先生。 (ページ15)

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期末考査が返され、結果はまあまあ。

赤点も取ってないしまあ、大丈夫。

いや、一個だけ大丈夫じゃないのがある。

テストじゃないよ？

阿部先生の顔。

めっちゃ疲れているというか、

苦しそう。

このままだと壊れちゃいそうなぐらい、無理して笑ってる気がする。

まあ、みんなは気づいてなさそうですけど。

絶対、好きって表面だけでしょ。

周りに対してそう思っていた。

その日の放課後。

阿部先生は職員室にいなかった。

となれば、居るのはあの部屋だ。

ドアをノックすれば

“はい”と返事するのが聞こえた。

「失礼します」

そう言うと。

阿「やっぱり来ちゃったか」

と笑う先生。

「先生、何かありました？」

そう聞くと

阿「え？なんで？」

先生は普通を装うけど目が泳いでいることに私は気づいた。

「ん、先生が今日元気なさそうだったから心配になったって言ったら迷惑ですか、？」

そう言うと、先生は目を見開いて力なく笑った。

阿「生徒は先生のプライベートに突っ込んだらだめだよ。心配してくれたのは嬉しいけどね。」

じゃ、俺は帰るから。

そう言って先生は準備室を出た。