ねえ、先生。 (ページ2)

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高校二年の春。

前年度やめた先生の代わりに来た彼が私のクラスの化学担当になった。

若くて、教師一年目で、

身長は高くて、

たまにドジする人で。

そんな彼をみんなで“阿部ちゃん先生”と呼ぶようになったのはもっと先の話。

眼鏡かけてて真面目そうなのに、

意外と私たちよりのこと言ってくるのがまた面白い。

そんな阿部先生と私が初めて話したのは、

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.

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阿「鈴木さん、点数ひどすぎだよ(笑)俺がちゃんと教えるから頑張ろうね」

「は、はい…」

目をじっとみつめられて返された出来の悪すぎる化学のテスト返却時。

そのあと、炎色反応の問題で採点ミスがあって持っていったら

阿「一つだけ合ってるって勘で書いた？」

って笑われて。

いつもなら、うわ、先生に笑われたって思うのに。

嫌な気はしなかった。

このころの私はまだ知らないんだ。

これからこの先生に恋心を抱くことを。