雪桜組。

.※暴力等表現有 ページ48

私と辰哉は正面から堂々と突入した。


向かってくる相手に一発、一発。


自分の気持ち殺してやらないとこんなのできっこない。


一瞬でも隙を作れば命とりだ。


“トップが来るなんてどんだけ弱いんだよ”


“すぐに翔太さんも涼太さんも私たちのところに帰ってきますよ”


吹き抜けの上から見下ろしてきた人間はそう言ってどこかへ消えていった。


すぐ横にいるやつらの腹に一発蹴りを入れておいた。


“グハッ、お前誰、”


倒れこみながら聞いてくるやつ。


「お前に名乗りたくなんかねぇ。さっさと失せろ。」


腹の底から低い声でそう言って、もう一度。


大男がうめき声をあげているのをみて口角が上がって仕方がない。


fk「コン！！」


辰哉の声で体を伏せる。


すぐ真横を銃弾が通った。


fk「ったく。てめぇら生きて返さねぇからなあ！」


早くも辰哉の怒りに触れてしまった。


もうやつらに命はない。


辰哉がお気に入りの銃を取り出して連射していく。


背中合わせになるようにして私も敵を撃ちぬいていく。


本当は剣が良かったけど、狭い通路に行くと不利だから銃で。


しばらくやりあっているうちに、辰哉と距離ができ、


気づけば私は数人に囲まれていた。


“ねぇちゃん、まだ幼いだろ？かわいこちゃんがこんなところに来たらだめだよね？”


“お兄さんたちがちゃんと守るからね”


“これが最後のやさしさだよ。早く帰りな？”


“車は呼んであるから”


私のことを知らないのが


そう言って手を伸ばして私に触れようとする。


その手を取って


“なっ！！”


投げ飛ばす。


“まさかお前…！！”


『白井の隠し子』


その言葉を言おうとしたやつらの息はもうない。


あの薄ら笑いの顔はどこへ。


絶望した男の顔を見回して。


最後にサービスで撃ち込んでおいた。


そんな言葉言わせない。


乾いた音が響く。


叫ぶ者は後を絶たない。


それでもこの中にいる人間の一部しかまだいないのは分かっていた。

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