【黒尾鉄朗】黒尾くんの寝癖は直らない。

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息継ぎが下手な私は、すぐ苦しくなってしまう








『んん、あっ、く、…ぅ、し………っ』








長いキスに耐えかねた私が
ようやく発した「くるしい」を察したクロは
「ん、」と口を離した








『くろ、……起きてた、でしょ』






「人の寝込みを襲うハツジョーキの
子猫ちゃんがいたもので」






『はっ、つ……』







クロはニヤニヤとして私の様子を
面白がっている






『…いつから、起きてたの』





「んー、耳にキスされた時くらいから。
俺、耳弱いのよ」






『………へー…』






「あ、今良いこと知ったって思ったろ」






『思ってないし』




「思ってる」





『思ってない』





「思ってる」




『…』




「…」




『思ってない』




「思ってる」









さっきから、なんだかすごく機嫌が良さそうだ







「ほら、おいで」





『わ、』






起き上がったクロの足の中に閉じ込められ、
後ろからぎゅう、と抱きしめられる






『くろ？』




「なーに」




『なんか、機嫌、いいね』





「んー、Aがいつになく積極的に
なってくれたからね」




『別にそんなんじゃないし…』







背中にクロの体温を感じる
あたたかい







後頭部に感じる温もりはきっとクロの唇








今日のクロは甘えたがりのようだ









『手のかかる猫め…』






「いつもはAちゃんだけどネ」






『そんなことないし』









…またクロにいたずらしてみよう




クロの耳が弱いってこと、忘れないからね

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