なんで。 ページ30
-you-
『ユンギ、あんた今日どうしたわけ』
「…どういう意味だよ」
『いや、特に意味はないんだけどさ。
とりあえず近いから離れてくんないかな』
そう言ってユンギから離れようと
私の腕を掴んでいるその腕に手をかけた。
その瞬間。
「ヒョギのことは諦めろ」
私の腕を掴む力が強くなると同時に
ユンギの方へ引き寄せられる。
正直言って、この状況を理解するのに時間がかかった。
……意味わかんない。
なんでユンギが私を抱きしめているのか。
ヒョギさんのことを諦めろと言うのか。
だって今までは"諦めるな"って言ってくれてたのに。
まあ確かに昨日のアレで諦めようかと思ったし、諦めなきゃいけないんだって分かっちゃったけどさ。
昨日の今日でこれはキツいよユンギ。
ユンギだけが私の味方でいてくれたじゃん。
私が面倒くさい女だって知ってるでしょ。
だからお願い。今はいつもみたいに"諦めんな"って言ってよ。
『ユンギ、離して』
「無理」
『離してってば！！』
力いっぱいユンギを押してもユンギはピクリともしない。それどころか力がこもっていくばかりだ。
…なんで？
どうしてこんなことするのさ、ユンギ。
そう思った瞬間、自然に涙が溢れてきた。
よくわからないけど、涙が止まらない。
けど、もっと分からないのは今ビョンベッキョンの顔が浮かんだこと。
なんで？なんでアイツ？私はアイツが大嫌いなのに。
『ビョンベッキョン…』
気付けば私は、そう呟いていた。
「おい、何してんだよ」
ふと頭上から聞こえた声に驚いて顔をあげる。
そこには不機嫌そうに私達を見下ろすビョンベッキョンがいた。
「…今日も遅刻なんて許さねえからな。
ほら、早く行くぞ」
その言葉と同時に私とユンギをひきはがして
私の腕をとるビョンベッキョン。
私の腕を引っ張りながら歩く後ろ姿は怒っているみたいだ。
『あ、あの、ビョンベ……』
そう言ってビョンベッキョンに声をかけようとした時。
いきなりビョンベッキョンが振り返って私にイラついたように言った。
「昨日の今日で平気なわけねぇだろ。
さっきの男が誰だか知らねぇけど好きな男のこと簡単に"諦めろ"っていうような奴とつるむんじゃねえ」
…なんでコイツが私がヒョギさんのことを好きなのかを知ってるのかわからない。
昨日から絡んできて面倒くさい。
…だけど、
何故か私はビョンベッキョンに惹かれてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2580人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴぴ。 - どなたかぴなきおさんの新しいアカウントわかる方いませんか？ (2020年8月19日 4時) (
レス) id: e2ced42789 (このIDを非表示/違反報告)
ぴなきお(プロフ) - いきなりコメント欄にでてきてすいません…。ぴなきおです！機種変更してしまった上にログアウトしてパスワードが分からなくなってしまったので別のアカウントを作りました！このお話の続きはそちらに書きます！よろしくお願いします！ (2019年1月30日 9時) (レス) id: 00f01cdd95 (このIDを非表示/違反報告)
きき - もしかしてぴなきおさん今kumanomiという名前で活動されてませんか？文章の作り方が似ていたので・・・。間違っていたらすいません！ (2018年6月21日 17時) (レス) id: 31d7c7e617 (このIDを非表示/違反報告)
眼子♪(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年3月4日 1時) (レス) id: 47a5d9f255 (このIDを非表示/違反報告)
twiceペン?(プロフ) - ここで言うのもなんですが、友達申込をしました！パスワードがついている作品を読みたくてしました。良ければ私と友達になってください！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: b8067518fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴなきお | 作成日時：2017年6月21日 19時
