嫌われ者の裏 ページ2
-you side-
……Prrrrr……Prrrrr……
午前6時。
朝っぱらからしつこく鳴る着信音に苛だちを覚えながら電話を取ると、スピーカーにして枕元に放り投げた。
「よお、嫌われ者。調子はどうだ？」
スピーカー越しに聞こえる男の声に
おもわず舌打ちする。
なにが悲しくて朝っぱらからコイツの声を
聞かなきゃいけないのだろうか。
『お前のせいで最悪だよ、ほんと』
ベッドから起き上がりながらそう返すと
電話の向こうの男は楽しそうに笑った。
「社長に向かってお前はないだろ」
『へいへい、すいませんね』
パジャマからスーツに着替えながら
適当に返事をする。
そんな私に男は「相変わらずだな」と一言言うと、呆れたように溜め息をついた。
「とりあえずお前、10分後に家出ろ。
朝飯食うついでに例の企画の話がある」
『了解しました〜』
「あ、資料忘れんなよ」
男がそう言うのと同時に切れる電話。
それを横目に鏡台の前に立つと、鏡の中の自分に同情するように語りかけた。
『今日も嫌われ者、上手くやれよ』
こうして私の１日は始まる。
─────────
「嫌われ者のお前に奢ってやるから何か頼め」
『うるさい黙れ。あと自分で払う』
社長とウチの会社の社員だけが入れる専用のレストランに朝食を食べに入る。
このレストランは会社の地下に設置されてる上に二十四時間営業だから、朝早くに行けば人目につかない。
今だってこのレストランにいるのは私達２人だけだ。
…ん？なんでわざわざ人がいない時間に無駄に広いレストランで2人きりで食事をするのかって？
それは〜、あれだ。うん。
この会社は本社と支社に別れてるんだけど、
私は今支社に務めてる。んで、今いる本社に、目の前の男が社長として居座ってるわけ。(居座ってるってなんだ馬鹿野郎 by社長)
で、私達はその本社でも支社でも有名なんです。
私は仕事が出来ない上にぶりっ子で男好きで態度が悪い、いわゆる"クズ"として有名。
この男は秘書と他の会社の社長以外に顔を見せずに社長室に引き篭もっている"引き篭もり社長"として有名。
そんな私達がなるべく人目につかない所で、お互いの本性がバレないように仕事の話をする為、朝早くからこのレストランに来ているのです。
あ、でもレストランの従業員は全員私達を知ってる。
って言っても七人しかいないけど。
みんな信用できるから心配ないさ〜
………まあ、とりあえず朝飯頼もう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2580人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴぴ。 - どなたかぴなきおさんの新しいアカウントわかる方いませんか？ (2020年8月19日 4時) (
レス) id: e2ced42789 (このIDを非表示/違反報告)
ぴなきお(プロフ) - いきなりコメント欄にでてきてすいません…。ぴなきおです！機種変更してしまった上にログアウトしてパスワードが分からなくなってしまったので別のアカウントを作りました！このお話の続きはそちらに書きます！よろしくお願いします！ (2019年1月30日 9時) (レス) id: 00f01cdd95 (このIDを非表示/違反報告)
きき - もしかしてぴなきおさん今kumanomiという名前で活動されてませんか？文章の作り方が似ていたので・・・。間違っていたらすいません！ (2018年6月21日 17時) (レス) id: 31d7c7e617 (このIDを非表示/違反報告)
眼子♪(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年3月4日 1時) (レス) id: 47a5d9f255 (このIDを非表示/違反報告)
twiceペン?(プロフ) - ここで言うのもなんですが、友達申込をしました！パスワードがついている作品を読みたくてしました。良ければ私と友達になってください！ (2018年2月20日 21時) (レス) id: b8067518fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴなきお | 作成日時：2017年6月21日 19時
