自給自足 ページ12
「農作をするのに人手が足りなくてな」
「なんだと、お前つまり俺に農作手伝えってことか？！」
「あぁ」
「ふざっけるぬぁ！土いじりするほど俺は暇じゃないんだよ」
「そうか。ならば仕方あるまい」
もっと食い下がると思っていたのに、ミホークは驚くほどあっさりと引いてしまった。
さすがに拍子抜けした。
けれど切り替えが早いのはいい事だ。うん。
そうそう、分かればいいんだよ。
さっさとこの枷を外してもらって、早いとここの島を出よう。
「海で漂うお前を助けた恩人の頼みを突っぱねるほど余裕が無いなら」
「え…」
「ここまで運び、看病してもらった事など忘れる薄情な男になってしまうほど切羽詰まっているのなら」
「ぅっ…！」
「行け、俺は何も言うまい」
くっそ…
鬼畜め…！なんだその嫌味ったらしい別れ文句は
良心揺さぶりやがってこの野郎…
「あ〜！分かったよ、手伝うよ！」
「よし、なら外してやろう」
「外す気無かったのかよ！」
━━━━━━━━━━━━━━━
という事で、シッケアール王国で男手二人
農作業をやる事になった。
子供の姿じゃ大して役に立たないため、羊飼いに代わり、大人になった。
慣れない畑仕事は結構辛くて、クワを振り下ろす度に肩が悲鳴をあげていた。
ただでさえ外に出ないから、こういった力仕事は体にくる。
しかし、昔みたいに決闘しろと刀を向けてくるのかと思ったが
本人にその気はないようだ。
確かに自分は剣士ではないし、もうミホークの血が騒ぐことは無いのかもしれない。
「あ"〜疲れた」
「大方耕せたな」
何時間クワを振っていたのか分からないが、結構土を耕すことが出来て、謎の満足感と疲労が体を満たしている。
月が出始めているということは、昼から今夕暮れまでずっと夢中でやっていたらしい。
「城に戻るぞ。続きは明日だ」
「はぁ、これが世界一の剣豪ねぇ…何をやってんだか」
「自給自足も生きるためには必要。腹が減っては剣も振れぬ」
「お前が言うと全部かっこよく聞こえるな」
というか、明日も土いじりするって何気に言ってただろ。
どこまで使う気なんだこいつは。
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薬売り(プロフ) - 陰KA風GE乃KO透 KAGEKOKAGEさん» わー！ありがとうございます〜！続編もよろしくお願いします！！ (2019年6月16日 11時) (
レス) id: b0a9a087e9 (このIDを非表示/違反報告)
陰KA風GE乃KO透 KAGEKOKAGE(プロフ) - 続編も頑張ってください！楽しみにしてます ミホーク様好きなのでミホーク様メインありがたいです笑 (2019年6月12日 21時) (レス) id: 7c36cdd277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：totoro | 作成日時：2019年3月23日 0時
