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目を覚ますと、目の前には白い天井。
あまり好きではない鼻を刺すような薬の匂い。
その二つだけで、自分が病院のベッドの上で寝ていることがわかる。
ズキズキと痛む頭を押さえながら、とりあえず起き上がる。
しばらく焦点の合わない視線を泳がせていた。
するとガラッと音をたてて病室の扉が開いた。
入ってきたのは、恐らくここの看護婦であろう女の人。
その人は私の姿を確認すると、驚きと喜びが入り混じった顔をして病室を飛び出していった。
一体なんだというのだ。
そもそもトラックに轢かれそうになったことしか覚えていない。
どれくらい眠っていたんだろう。
しばらくして先ほどの看護婦が初老の医師を連れて戻ってきた。
「森山さん。お体のほうはどうですか」
先生が私の安否を確認してくる。
「少し頭が痛む程度です。...あの、私、どれくらい眠っていたんですか」
「三日間ほどかな。ご両親も心配されていたよ」
そんなに眠っていたのか。
家族には迷惑かけたな。
「...三日。...あっ」
一番大切なことを思い出した。
「そうだ、ミケ...。...あの、私のほかに私と同い年くらいの男の子が倒れてませんでしたか」
先生少し考えてから口を開いた。
「いや、そんな子はいなかったな」
よかった。
ミケは無事なんだ。
じゃあ、私を助けたのって誰なんだろう。
先生はでも、と続けた。
「三毛猫が血まみれで倒れていたらしい」
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雪 - おーーなんかすごいです (2016年8月25日 17時) (レス) id: d885b7a670 (このIDを非表示/違反報告)
天宮叶(プロフ) - 読んでいくうちにとても引き込まれましました。全体的に透明感があって思わずうるっとしてしまいました。 (2016年2月27日 16時) (レス) id: ba642bc330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2015年7月20日 19時