大妖怪ヨコハマ奇譚

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｢さっきも言ったけど、ミミックの件が関わっているはずや。この件に俺らは一切関与させてもらわれへんかったやろ？｣

｢……確かに｣

｢それが妙なんよな。俺らは細かい任務をひっきりなしに押し付けられてただけやけど、中也さんに至っては何週間も出てるやん。その上、前ちょっと中也さんと連絡取ったときに聞いたけど、中也さんがわざわざ出向くような任務内容でもなかった｣

｢首領はわざと俺らをミミックの件から遠ざけたってことか？｣

｢その可能性は高い｣


3人で一斉に黙り込む。少しずつ明らかになる首領の企み。俺たちは何も言えなかった。


｢あとさ、今日首領に呼び出されたときに見てもうたんやけど｣


だるまは苦笑しながら、俺とありさかと目を合わせた。


｢首領の机に置いてあった、黒い封筒。あれ多分、異能開業許可証｣

｢え゛っ｣

俺とありさかは同時に濁った声を出す。


｢やばいやん｣

｢もう絶対やん、首領確信犯やん｣

｢んはは、どうする？ この件もうちょっと調べる？｣

｢いやぁ……どうする？ ありさか｣

｢俺ら別に太宰派閥でもないしなあ。だるまはどうしたいん？｣

｢うーん、ちょっとおもろそうとは思ったけど、首領にバレたら面倒そうやし｣

｢俺らはリーダーに従うよ。な、ありさか｣

｢おん、よっぽどじゃない限り着いてくよ｣

｢じゃあ、首は突っ込まないということで！｣

｢おぉ〜｣


話がまとまって、一旦会話が途切れそうになったとき、｢あ、｣とだるまが何かを思い出したらしい。


｢芥川の世話役も頼まれた｣


てへぺろでもしそうな勢いで言うだるま。


太宰失踪事件、やはり面倒事からは逃れられないようだった。

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