大妖怪ヨコハマ奇譚

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｢なるせは芥川どう思う？｣


俺の問いになるせはうーんと顎に手を当てる。


｢まぁ、強いんちゃう？ 俺なんかすぐに抜かれるやろ｣

｢割と圧勝やったけどな｣

｢そういうありさかもどうせボコすやろ｣

｢俺はなるせみたいに速くないし無理やろ｣

｢出た、ありさかの自信ないムーブ｣


うわぁまたや、と俺は思いっきり嫌な顔をしてみせる。そんな俺を見て、ありさかは言葉を詰まらせた。


｢一回やってみたら分かるって、お前強いねんから｣

自信持てよの意味を込めてありさかの背中を叩く。


｢ったぁ、｣

｢ほんまに、ありさかは強い！｣


なるせもありさかの背中に平手を食らわせた。


｢いっ、たいってお前らまじで｣


文句を言うありさかだったが、その顔は満更でもなさそうだった。



｢までも、油断したら身体ぶっ刺されるけどな｣


冗談っぽく言ったなるせだったが、事実として芥川は油断できる相手ではない。それでもやはりありさかが勝つと確信して、俺は密かに誇らしく思った。


｢あー、さっきの見てたら俺もちょっと身体動かしたくなったわ｣

｢俺疲れたからパス。ありさか相手したれよ｣

｢えー……俺ぇ？｣

｢よっしゃやるかぁ｣

｢まだやるとは言ってへん……｣


そんなこと言いつつ、ありさかはどうせ相手してくれるのだ。チラリとありさかに視線を送る。


｢しゃーないなぁ｣

ありさかはくっと身体を伸ばした。


｢あっははっ！ なんだかんだありさかはやってくれるんよな！｣

｢ええから、はよやるで｣


本当に楽しい友なのだ。

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