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「だるまやばい、芥川となるせが喧嘩し始めた」
そう言った電話口のありさかの声は特に焦っている様子でもなかった。寧ろ、おもろいからお前を見に来いよ、の意味にも捉えられるような言い方だった。
場所は地下の訓練場だと聞いた俺はとりあえず向かうことにした。
「うぃーす」
「おっす、だるま」
訓練場に入ると、芥川となるせがジリジリと睨み合っていた。入口付近でその様子を眺めていたありさかに声をかける。
「なんで喧嘩してるん?」
「訓練しようぜってなって、芥川が幼稚になるせを煽ったんよ」
「なるせ別にそんなんじゃ怒らんくない?」
「多分なるせは遊んでるだけ」
「んはは、楽しそうやん」
睨み合っていた2人がまた動き出した。
芥川の羅生門がなるせを襲う。しかし、なるせは後ろに跳んで軽々とそれを躱した。羅生門の黒布が地面に突き刺さる。
「芥川ガチやん。なるせやばくね?」
「一応訓練って名目やし、芥川も分かってるやろ。いざとなったらだるまおるし」
「まぁ大丈夫か」
複数の羅生門が再びなるせに飛びかかる。なるせはレッグホルスターから拳銃を2丁引き抜き、向かってくる羅生門を外すことなく正確に撃ち抜いた。勢いを失った黒布はしゅるしゅると芥川の元へ戻っていく。
「なるせさん……あなたも……」
「えぇ? なになに?」
今度はなるせがいつもの腹立つ高い声を出して芥川を煽り始める。
「俺別にそんな武闘派ちゃうんやけど」
芥川は悔しそうに歯を軋ませる。
「ぐっ……こんなものではっ!」
芥川が全身に力を込めると、背後から黒獣が飛び出した。
なるせはそれを右へ左へ、避けきれないときは銃でその頭を潰していく。
しかしこれでは防戦一方だ。なるせはどうするつもりなのだろうか。
「なるせってさ、なるせちゃんの時ほんまにちょこまかしてて鬱陶しいよな」
どこか誇らしげにありさかが呟いた。
「まじでそう。でもあいつあっちの方が可愛いからって理由であの姿してるんやろ」
「可愛いのは間違いない」
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被苦人(プロフ) - そるんさん» 待って頂いてありがとうございます!😭😭😭いつも更新遅くてほんとに申し訳ありません😭😭今後も遅くはなりますが、末永くお付き合い願います🙇♀️ (7月4日 23時) (レス) id: dcf9525fc1 (このIDを非表示/違反報告)
そるん(プロフ) - 更新待ってました!!!!!これからも頑張ってください〜!! (6月1日 18時) (レス) @page27 id: 7bb0a126ac (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 凛さん» 大変遅くなってしまって申し訳ありません😭 (5月31日 20時) (レス) id: dcf9525fc1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 異能力設定ありがとうございました! (5月31日 15時) (レス) id: cf87f55bfc (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます! 3人の異能力設定はふわっとしか決めていない状態なので、またしっかりと決めて詳細を載せたいと思います! しばしお待ちいただけたら幸いです。 (2022年8月24日 12時) (レス) id: 3dd58736bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2022年8月1日 23時