だるまさんは転ばない！

.4 ページ5

｢え、それでAちゃんから連絡くるまでの暇つぶしに付き合わされんの俺｣

｢ええやん！ 今日は配信付けへんし気楽にやろうや！｣

｢でも、連絡来たらその瞬間お前の都合でやめるんやろ｣

｢せやけど｣

｢ふざけんな｣


と言いつつ付き合ってくれるありさかには感謝しかない。絶対に言わないけど。


｢あ、なるせもすぐ来るって｣

｢じゃあ終わったあとなるせと2人でエペやるかなぁ｣

｢は、ずるくね｣

｢お前は彼女と寝落ちもちもちやろ｣


ありさかが口にした寝落ちもちもちという言葉に思わず吹き出す。釣られてありさかも笑い出し、2人で声を震わせた。



｢うぃーす｣

しばらくしてなるせが合流した。調子を合わせて｢うぃーす｣と挨拶する。


｢今日はだるまが彼女と電話するまでの暇つぶしやって｣

｢なんじゃそりゃ｣

なるせは特に苦言を呈す様子はなかった。なるせはこの手のタイプの話題は案外好きらしい。


｢じゃあさじゃあさ、彼女と電話するときにこっちのVCも付けたままにしてよ。ありさかと聞いてるから｣

なんて笑いながら言ってくるのだ。むしろ大好物まであるようだ。ありさかも｢それいーねー｣なんて言っている。


｢ふざけんなぁ！！ お前らなんかにAの声聞かせてやるもんか！！｣

｢あ、そっち？｣

2人は困惑の声を上げる。


｢お前らにAはやらん｣

俺の必死さに2人はくつくつと笑った。


｢まぁいいや、早くやろーぜ｣

そう言ってなるせが俺とありさかのレディを急かした。


Aのことは頭の端には置きつつも、いつものようにジャンプの押し付け合いをする頃にはもうすっかりこの空間を楽しむことが出来ていた。

.5→←.3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す