だるまさんは転ばない！

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｢ていうか、Aはどこで俺の名前知ったん？｣


ネットの表層を見ているだけじゃ俺の名前は出てこないはずだ。ましてやA1人で辿り着けるようなコンテンツではない。


｢APEX教えてくれた友達がね、最近ハマってる人がいるって動画見せてくれたんよ。そしたらたまたまだるまくんで、ほんまにびっくりしちゃった｣


Aの話によると、俺の動画を見ていたらえなこりん親衛隊の切り抜きに辿り着いてしまったらしい。それだけではなく、色々な女性ライバーとコラボしているのを見たり、友人から｢だるまさんのリスナーはガチ恋勢が多い｣などと聞かされたりして、いてもたってもいられなくなったという。


すべてを赤裸々に話し終えたAは恥ずかしそうに｢ごめんね？｣と上目遣いに俺を見上げた。


もう俺は爆発しそうだった。そんなことを聞かされていてもたってもいられないのはこっちだ。


｢あぁもう！ まじで可愛いな！！｣


俺はモジモジと小さくなっているAを抱き寄せる。


｢不安にさせてほんまにごめん。幼なじみっていうのに胡座かいてた｣

｢だるまくん……｣


腕の中にすっぽりと収まったAを更に抱き締める。


｢ストリーマーっていうの隠してたんも、Aに変な誤解されたくなかったからなんよ｣



俺はAから身体を離して、真っ直ぐに目を合わせる。



｢A、ずっと前から好きです。俺と付き合ってください｣


Aは一瞬大きい目を更に見開いて、すぐに微笑んだ。


｢はい、こちらこそよろしくお願いします｣


今度はAから腕を伸ばして、俺の背中に手を回してきた。俺が抱き締め返すと、Aは嬉しそうに笑った。




｢でも、またえなこりんさんにデレデレしたら許さない｣

｢あたりまえよ｣


だるまはもう何度かは転びそうだな、と苦笑した。



fin.

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