親密度33 ページ33
とうとう限界に達したらしい。
「行きますよ」
ぶっきらぼうにそう呟いた英くんは、私の手をとると及川たちに背を向けて歩き出した。後ろから動揺している声が聞こえる。
英くんはそんなの意に介さずにどんどん進むので、振り向いて確認する余裕もない。
とりあえず今はついて行くかあ。
英くんの手、大きいなあ。二個下といってもやっぱり男の子なんだなあ。
歩いている間、呑気にそんなことを考えていた。
．
．
．
ふと英くんの足が止まる。
『えーと、落ち着いたかね？』
何キャラやねん
「すみません、強引に」
『や、いいよ全然。あいつらの絡みだるいもんね。正当防衛』
「…とりあえず、行きましょう」
目の前には"世界のキャラメル展"ののぼり。目的地に着いたから止まったわけね、理解理解。
『よっしゃ、せっかく来たんだから楽しむぞ』
「臨むところです」
おお、珍しく英くんがやる気だ…！
彼の塩キャラメルにかける思いは想像以上らしい。
キャラメル展とはいっても、固形のキャラメルがひたすら並んでいるわけではない。キャラメルに関するもの、要はキャラメル味のものだったらオッケーなのだ。
ポップコーンにクッキー、アイスにケーキなど、そのどれもがキャラメル味である。私は特別キャラメルが好きなわけではないが、スイーツは大好きなので楽しめそうだ。
それから私たちはたくさん食べた。食べまくった。とにかく食べた。英くんは終始幸せそうで、目がきらきら輝いていた。やばい私の後輩マジ可愛い。
ここでふと思い出したことがある。
『そういえば、この前ブレザー返してもらった時にポッケに塩キャラメル入ってたんだよね。あれやっぱ英くんだったんだ』
「そんなこともありましたね」
何事も無かったかのように答えているが、今日のこの彼の塩キャラメルへの執着を見れば、彼なりの最大級のお礼だったのだろうな、と感じて心が暖かくなった。
十分楽しんだ私たちは、解散することにした。
「先輩、明日も屋上来てくださいね」
『仕方ないな、分かったよ』
今はもう、面倒臭いとはあまり感じていなかった。むしろ私も英くんと過ごす時間を心地良いと感じ始めている。
…完全に絆されてしまったな。
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aoilovexanxus(プロフ) - らきさん» テニプリの自由気ままなマネージャー1と2のパスワードわからないので教えて下さい (2020年6月28日 19時) (
レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
らき(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます！いえいえとんでもないです(笑)読んでくださってありがとうございました^^ (2020年5月16日 12時) (レス) id: b8f86eff26 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 完結おめでとうございます！素敵なお話をありがとうございました！！ (2020年5月15日 21時) (レス) id: 00a9b70708 (このIDを非表示/違反報告)
らき(プロフ) - 紅梅さん» コメントありがとうございます！お手本だとかもったいないお言葉です、とても嬉しいです(;_;)完結までお付き合い頂けたら幸いです^^ (2020年5月13日 21時) (レス) id: b8f86eff26 (このIDを非表示/違反報告)
紅梅(プロフ) - 国見ちゃんまじ神かて！ 毎回のごとくキュンキュンさせていただいおります〜(´艸`*) らきさん執筆上手すぎます！！ お手本にさせていただきますm(_ _)m (2020年5月13日 10時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らき | 作成日時：2020年4月26日 17時
