マイペースな後輩に懐かれた【国見英】

親密度15 ページ15

その後はひたすら無言タイムだった。いつもじゃねえかと言われたら確かにそうなんだけど。でも違うんだ。主に英くんが無言タイムだった。話しかけても一切反応がないのだ。

え、さっきのだる絡みで嫌われたとか？それマジ？
そのままお互い無言でお弁当を食べ続けた。


昼休みも終わりに近づき、さーてそろそろ教室に戻るかという時。
来週の月曜日からはもうそれぞれの教室で過ごすことにしないか、と提案しようと口を開いた。


『英くん』
「先輩」



か、かぶった〜〜〜

なにこれ、こんなベタなことある？
ていうか実際起きたらめちゃくちゃ面白いね



「先輩からいいですよ」

『や、いいよ。なんたって私は先輩だからな。後輩に譲る』

「……じゃあ、A先輩。明日暇ですか」

『え、何？デートのお誘い？』

「違います」


ズバァっと一刀両断されてしまった。調子に乗ってごめん。というかそんな真顔で言わんでも分かっとるわ。

『暇というか、家でダラダラするという用事が…』

「暇なんですね」

『ウィッス』


躊躇なく切り捨てられた。大事なことだから何回でも言うけど、君、私が先輩だってこと分かってる？


「明日、ウチで練習試合やるんです」

『ほお、バレーの？』

「はい。…見に来てくれませんか」

『え、私が？』

「はい」

『何で？』

「何で…来て欲しいから？」


ま、またそういうことを…！この子は真顔で…！

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