マイペースな後輩に懐かれた【国見英】

親密度14 ページ14

『聞いてないけどね。え、てかなんか意外』

「何がですか」

『英くんに彼女いないのが』

「…何でですか」

『や、普通にモテてそうじゃん。告白とかされないの？』

「そういうの、めんどくさいんで」

『こやつ、さてはモテモテだな』

「別に」

『くそう、爆ぜろ』

「先輩は」

『はい？』

「そういう人、いないんですか」

『そういう人？』

「その、好きな人、とか」

『えー、別に思いつかないなあ』

「及川さんとかは？」

『及川？なんで？』

「あの人一応女子に人気じゃないですか」

『一応て(笑) そうだな、顔はかっこいいと思う』

「…そうですか」

『まあでも私は英くんの顔の方が好きだな〜』

「………」

『え、ごめん怒った？何様って思った？ごめんって』



なぜか目の前で固まってしまった。


え、真面目に怒った？お前なんかに好かれても困るわー的な？いや、間違いねえわ。



英くんの顔の前でヒラヒラと手を振ってみる。ビクッと動いたかと思うと、口元を覆い隠す様に自身の右腕を持ち上げた。


『英くん？』

相変わらず返事はない。


おや？
おやおや？


なんか、顔、赤くね？

耳なんか真っ赤である。



英くんのこんな表情、初めて見た。
まあ、いつものだるそうな顔しか知らないけど。


というか、もしかして…

『照れてる？』

「…照れてないです」

『図星か』


さらに赤みが増してしまった。何それ、可愛いかよ。
ふーむ、これが世にいうギャップ萌えってやつか…

なかなかの破壊力である。



告白されるのがめんどくさいなんて、女慣れしているのかと思えば意外とウブなのか。

この後輩、ますます分からない。

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