にじゅう! ページ24
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side.深澤
柄にもなくキレてしまった。
いやでもしょうがない。と、思いたい。
みんなも大事な人の傷ついた顔見たらキレるっしょ?ね??
佐久間が一瞬、泣きそうな顔をしたのが見えた。
ラウが一瞬、不服そうな顔をしたのが見えた。じゃあ、怒るでしょ。
佐「ふは、百面相してやんの。」
深「んえ、まじ?」
うん、と頷いてまぁるい瞳を細める佐久間。
可愛い。その言葉がぴったりな童顔野郎。
こんな顔見ましたって阿部ちゃんに言ったら死ぬな。
“俺も見たかった!”ってボディーブローかまされる未来が見える。黙ってよ。
佐「久々にブチギレてたじゃん。」
深「だって。」
むすっとうちの恋人の真似をして唇を突き出して拗ねてみる。
すぐに「可愛くねー」って聞こえてやめたけど。
深「お前は良いよなぁ!何やっても可愛いもんなぁ!!」
おどけて言ってはいるがこれ、結構深刻な悩みである。
俺は佐久間は勿論、翔太や康二と比べても圧倒的に“可愛い”が似合わない。
佐「そー思ってるのはお前だけだけどねぇ。」
佐久間の小さな呟きに首を傾げる。どういう意味だ。
無意識だったようで佐久間は「やべ」と零した後虚無の顔を作り上げる。
ダンサー時代から“表情で魅せる”ことが得意だったからか
それがやたら上手くて、面白くなって吹き出してしまう。
ラ「ひゃふまふん、はお(佐久間くん、顔)www」
佐「食ってから喋れよ!ww」
口いっぱいにお昼のラーメンを頬張ったまま笑うラウ。
ほんと可愛い奴。ラウの笑顔が曇る前に拾ってよかった。
阿部ちゃんには散々に怒られたけどやっぱり間違いだとは思いたくない。
深「ラウ、美味しい?」
ラ「うん!」
深「そっか。」
ついラーメンを啜るラウの頭を撫でる。
不思議そうにラウがこちらを見た。
ラ「どしたの、まm…ふっかさん。」
深「お前今ママっつったろ(笑)」
いっそう激しくぐしゃぐしゃに頭を撫でると「わあぁぁ」と騒ぎながらも、
その笑顔が一瞬だけ暗くなった気がした。
佐「…ふっか、」
深「さくちゃんも気付いた?」
佐久間は俺らの中でも周りへの注意や気配りがずば抜けてできる。
ダンサーは芸能界みたいなもん。
幼い頃からそこにいたから培われたんだ、と勝手に思っている。
深「よし、ちゃちゃっと終わらして帰ろっか!あ、夕飯何にする?」
ラ「っあ、僕、唐揚げが好き!」
佐「おーいいね!」
ラウの反応が遅れたことには俺も佐久間も気付いてる。
帰ったらお前の話を聞かせて、ラウール。
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作者名:yoa | 作成日時:2021年10月28日 19時