【黃紫、緑桃】甘い空気はもう沢山！【赤青、黒橙】 (ページ19)

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じゅーご！ページ19

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side.ラウール

宮「ラウール、もう1回聞くね。ラウールは今後、どうしたい？」

舘様の言葉に思わず一度視線を外した。
いやわかってるよ？話さなきゃってことは。
だけどさ、みんなの前で喋るってなるとさ…やっぱり緊張するじゃん。
否定されたらどうしようって、思っちゃうじゃん。

佐「ラウ。」

大きな瞳がじっと僕を見つめている。
真剣だったそれが暫くの無言のあと、ふわりと優しく細められる。

佐「大丈夫、誰も否定したりしない。
ゆっくりでいいからラウの気持ち、教えてくれる？」

緊張で冷えて震えていた僕の手を佐久間くんの子ども体温の手が包んだ。
佐久間くんだってふっかさんと同じで僕とは遠い世界の人間のようなのに、
まるで僕の気持ちを知っているかのように僕の欲しかった言葉をくれた。

ラ「すぅ、はぁ…僕は。」

あ、やばい。声が震えてる。別に緊張しいなわけじゃないんだけどな。
みんなから否定されることが、こんなにも怖い。
でも折角しょっぴーが素直にならせてくれて、佐久間くんが励ましてくれたんだ。
それを蔑ろには、したくない。

ラ「僕は、この家にいたい。みんなと一緒に過ごしたい。」

瞬間、ぱっと佐久間くんの笑顔が咲く。
嬉しそうに、幸せそうにニコニコ笑っている。
同時に阿部ちゃんの肩が跳ねるのも、見えた。改めて聞くとやっぱり怖いんだろう。

深「俺はラウなら大歓迎だよ、みんなはどう？
考えなしに拾ってきたけどこんな打ち解けると思ってなかったし、
俺はもうラウが息子みたいに可愛くなってる(笑)」

岩「異存なし。孤児院って年齢でもねぇだろうし妥当だと思う。」

ふっかさんと岩本くんを筆頭にみんなが受け入れてくれた。
「ラウが望むなら」と言ってくれた阿部ちゃんの声は
やっぱり少し震えていたけど、また佐久間くんがその手をぎゅっと握っていた。

宮「全員いいかな。俺も異存ないよ。じゃあはい、みんなでせーの。」

全-ラ「「「「ようこそ、ラウール。」」」」

誰も何も説明もしなかったのに、
舘様の「せーの」で言葉を合わせられちゃうこの人達が不思議で面白い。

ラ「えへへ、ありがとう！これからよろしくお願いします！！」

「可愛い、百てん！」なんて言って、ふっかさんがぐしゃぐしゃに髪を撫でる。
そこに佐久間くんが混ざって、康二くんが混ざって、騒いで。
他のみんなはそれを優しい目で見ている。
あったかくてやさしくて、きもちいい。
殆ど初対面なのに僕、もうみんなのことが大好きなんだ。