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じゅうに! ページ15

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side.ラウール

朝起きてリビングに降りると、
佐久間くんがテレビの前のソファでくぅくぅ眠っていて。
キッチンには阿部ちゃんと舘様が立っていた。

阿「おはよう、ラウ。早いね。」

阿部ちゃんに声を掛けられる。
昨日のこともあって少し気まずいけど
なんでも無いフリをして挨拶を返した。

阿「…昨日、話聞いてたんだってね。」

ラ「っ…!うん、ごめんなさい。聞くつもりはなかったんだけど。」

盗聴のようになってしまったことを素直に謝れば
阿部ちゃんは眉を下げて「こちらこそごめんね」と言った。

阿「嫌いなわけじゃ、ないんだ。
ラウのことも目黒のことも、他のみんなのことも。
ないんだけど、さ。」

“こわい”

声は出ていなかったけど、阿部ちゃんの唇は確かにそう動いていた。
舘様が苦笑して、阿部ちゃんを撫でる。

宮「翔太から昨日聞いたけど改めて聞くね。
ラウは、これからどうしたい?」

その答えは、もうはっきりと出ていた。
しょっぴーが、はっきりさせてくれた。
みんなが怖いと言っても、みんなの邪魔になっちゃうかもしれなくても。

ラ「僕はみんなと、この家にいたい。」

真っ直ぐ舘様の目を見て言うと、硬かったその視線がふっと和らいだ。
そしてそのままゆっくりと、僕の髪を撫ぜる。

宮「良かった、翔太が恐喝して言わせてないか
心配だったんだけどちゃんと本音だったね。
俺たちの家へようこそ、ラウール。これからよろしくね。」

いや、別の意味で恐喝紛いというか脅しはされたけど、なんて。
言ったらそれこそぶっ飛ばされそうなので別の言葉を。

ラ「こちらこそ!阿部ちゃんも、よろしくね。
大丈夫、僕は健康体だよ!また一緒に踊ってよ。」

阿「う、んっ…ごめん、昨日は本当にごめんね、ラウ。」

阿部ちゃんは何度も良いと言ったのに
その後も佐久間くんが起きるまで謝り続けていた。
気にしすぎるのも、良くないよね。

佐「んぅ…?」

宮「あ、起きたかな。」

ソファで丸くなっていた佐久間くんが声を上げて
モゾモゾと動き出し、阿部ちゃんがすっ飛んでいく。
そして挨拶より先にまず、

阿「佐久間!布団で寝なきゃ駄目って言ったでしょ!」

お説教。母親か。

佐「むっ…や!」

ぷくぅって頬を膨らませて拒絶を示す佐久間くん。
「むっ」って口で言う人初めて見た。
幼児にしか見えないけど、僕より年上だよ、ね…?
え、もういっそ不安になってくるんだけど。
佐久間くんは年下って言われても全然納得できちゃうんだけど。

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作者名:yoa | 作成日時:2021年10月28日 19時

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