道に迷った、はぐれた君に《ピクミン》 (ページ5)

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４話ページ5

『分からない。自分がどこにいたかも、この傷が何なのかも。記憶が、なくなったと言うか、無いみたいに。』

お腹の横に、大きな傷がついている。
目が覚めた時に、見つけた傷。
擦り傷とは言い表せないほどの、大きな深い傷だ。

しかし、まるで治っているかのように痛くない。

赤「っ、そうかぁ。でもさ、一緒に過ごしてったら、何か思い出すはずだよ！手伝ってあげるからさっ」

ニカッと笑って、そう言った。

赤「そういえばさ、一緒、だよね」

そう言った。
鼻を指しながら。

自分の手と、相手を見比べて、
笑った。

“赤”。

ここに来てから、笑ったのは初めてかもしれない。
仲間といたら、こんなに楽しいんだ、という事を、初めて知った。

“ズキン”

『………………………っ………ぐ』

赤「！！どうしたの！？大丈夫？」

支えてくれて、どうにか倒れないで済んだ。

また、あの痛みが走った。
まだ頭が響くように痛い。

そして、

あの傷も。