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家康「…歴史通りにはさせん…」
教室を出て行った康くんを追いかけ、裏庭まで来た。
A「……ねえ康くん、どうして武田さんにあんなこと…」
家康「………あんなこと、だと?
どうしてAが武田を庇う?」
A「庇ってるわけじゃ……」
家康「…ハァ」
ひとつ大きなため息を吐き出すと、私を抱きしめ、肩に顔をのせる。
家康「…あいつはお前にちょっかいをかけていたと聞いた」
A「ちょっかいなんて……クラスメイトなだけだよ」
家康「"だけ"なら、もう気にするな」
A「クラスメイト"だから"、あんなことはやめて」
家康「俺以外の奴に優しくするな、戯れるな。
お前は俺のものだろう……」
言っていることはめちゃくちゃだと思うのに、
クラスの皆は想像出来ないほどに、その口調は弱々しい。
……ずるい。
A「…そう言われるの、弱いって知ってて言うの、ずるい」
家康「くっくっく、ずるいのはお前だ」
A「どうして?」
家康「拗ねた顔も愛い……この徳川家康を捉えるのは、お前だけだ」
A「〜〜〜っ、もう!康くんのバカ!」
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作者名:まる | 作成日時:2022年9月23日 16時