検索窓
今日:5 hit、昨日:26 hit、合計:35,434 hit

prologue ページ1

西暦―――年




「―――ちよ!」



「いち様」



多くいる兄達よりも私の名を呼ぶ優しい声が好きで、

彼を見つけて駆けてそばに寄る時が、

幼い頃いっとう好きだった。


うつけと呼ばれる13も上の兄は、

いつも何を考えいるのか全く分からず、

私にとっては近寄りがたい存在だった。


彼とはみっつしか違わず、兄よりも親しい存在で、

でも読書をしている姿は兄よりも大人びて見えた。




「わたしね、ちよと夫婦になりたい!」



そう言うと、彼は眉を下げて笑って、




「いち様には、信長様が良い相手を見つけてくださいますよ、」



と言うのだった。

思えばあれが初恋だったのだろう。


年月を重ね、兄の命で別の人に嫁いだが、


今際のときに思い浮かんだのは、彼の笑顔だった。





設定→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
83人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まる | 作成日時:2022年9月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。