Fidelity in Love 2〈アンナチュラル〉 (ページ36)

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所長に見つからないように、三澄さんと、中堂さんをつかまえた。

「中堂さん、中堂さん！これって！」

中堂「……なんだ」

三澄「666番の鈴木果歩さんの検査依頼ですよね？ご遺体ちゃんと返したんですよね？…まさか…」

中堂「あーそういえば、肺を体にしまい忘れたな。心配するな、保管してある」

「うそ…！」

三澄「あるの！？これ窃盗ですよ…」

中堂「俺は警察の奴らに閉じて返せと言われた。だから言われたとおりに返した。

だが取り出した肺を戻せとは、一言も言われてない」

「屁理屈…」

中堂「プランクトン検査の結果は」

三澄「海水の成分はわかりましたが、特に目ぼしい物は発見されていません」

中堂「現場の海水との比較が必要だな」

三澄「まだ調べるつもりですか！？

どうしてそんなに…納得のいく説明をしてください」

中堂「考えたことはあるか。

永遠に答えの出ない問いを繰り返す人生。

今結論を出さなければ、もう二度と、この人物がどうして死んだのかを知ることは出来ない。

今、調べなければ、調べなければ、永遠に答えの出ない問いに、一生向き合い続けなければならない。

そういう奴をひとりでも減らしてやるのが、法医学の仕事なんじゃないのか…」

「……、」

中堂さんの言葉に、ドキ、とした。

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