Fidelity in Love 2〈アンナチュラル〉 (ページ33)

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中堂「…おい、下に来たぞ、青森からのご遺体」

解剖の準備をする4人。
わたしは“過保護な”中堂さんの指示で、事務作業をすることになった。

久部「鈴木さんは死因を疑っているんですか？」

三澄「死因っていうか、警察は自殺だと判断したの。

でも鈴木さんが、妻が自殺なんてするはずない、って言ってて」

久部「どうして自殺だって判断されたんです？」

三澄「目撃者がいたんだって。

釣り人が、奥さんが海に飛び込むのを見たって」

久部「事故死ならいいですね」

三澄「そう願いたいけど、溺死の判断って難しいんだよねえ」

「うっかり落ちたとしても、飛び込んだとしても、溺れたら全部溺死で、法医学の所見は同じなんだよ」

久部「じゃあ、解剖しても、わからないんですね」

三澄「大いにあるねえ。電話でも説明したんだけど……それでもどうしても解剖してほしいって」

中堂「まあ、誰かに突き落とされて他殺でも、溺死は溺死で所見は同じだな」

「じゃあ、中堂さん。あんまり三澄さんたちに迷惑かけちゃダメですからね」

東海林「お母さんか！」

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