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神倉「まず、ひとり目のご遺体は、日商医大の法医学教室に運ばれました。
その日当番だった中堂さんは、そのご遺体を解剖した。――何も言わずに」
三澄「何も言わず…」
神倉「法医学者としては、当然の行為です。ご遺体は毎日のようにやってくる」
三澄「…、」
神倉「でも、そのご遺体は、中堂さんの恋人だった。
運ばれてきた恋人の他殺体を、彼は何も言わずに、解剖したんです。
その行為が、証拠隠滅だと騒がれて、誤認逮捕されてしまった。
法医学者はその気になれば、痕跡を無くせますからねえ」
三澄「…もし大切な方のご遺体だったら…自分の手で真相をつかみたい…」
神倉「そして、もうひとりのご遺体は、――伊藤さんのお姉さんです。
当時、事件性はないと警察に判断されましたが、このふたりのご遺体には共通点があった」
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作者名：まる | 作成日時：2018年3月9日 15時
