Fidelity in Love 〈アンナチュラル〉 (ページ30)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:237,719 hit

28 ページ30

.

花ちゃんのご両親が見つかり、やっと花ちゃんも家に帰れるのだと思った矢先。
ご両親を案内していた三澄さんと所長が戻り、花ちゃん本人ではないのだと聞いた。

「ミケちゃん、」

そして、捜査の結果、ミケ、という偽名だけがわかった。
その話を、わたしと三澄さん。そして久部くんの3人で、所長から聞く。

神倉「本名はわからず仕舞い。でもこれを書いたのは、確認されました。

該当する捜索届けは見当たらないし、身元不明のまま、送検されるみたいです」

「え、ちょっと待ってください。犯人は？」

神倉「家主のサトウショウイチ。被疑者死亡で送検」

三澄「いや、あの家は一度誰かに開けられているんです。毛利さんに伝えて、資料も送りました」

神倉「見なかったことにしたんじゃないかなあ」

「え、」

神倉「被害者は身寄りがない様子で、死にたがっていた。

家主の親族が早く事件を終わらせたがっている。

警察は重大事件が目白押し。見なかったことにすれば、三方丸く収まると」

「待ってください！

タスケテっていう彼女の言葉は―――、生きてる時も助けられずに、死んでからも見なかったことにするんですか？」

三澄「…A、落ち着いて。所長に言っても仕方ないよ」

「あ……。すみません…」

神倉「やれるだけのことはやったよ」

そう言うと、神倉所長は事務所を去って行った。

→