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「?」
小首を傾げる男の子に愛らしさを感じ気が緩みそうになる。
しかし、どこからが飛んできた肌を刺す殺気に私は飛び退くように振り返った。
方向はヨルコ達の方。もしかして、あっちに現れたのか!?
私は一瞬 目をさまよわせた。
彼を置いていくか。
いや、こんなところに置いていくのはあまりにも危険。
迷った挙句、私は男の子の手を取り来た道を駆けた。
奴らの索敵範囲ギリギリで足を止め男の子を木の影に匿わせた。
「ここにいて」
着ていたローブを彼に被せる。
このローブには多少の隠蔽効果があるからだ。
私は隠蔽スキルを発動しながら目印の捻れた木に近づく。
そこにはヨルコとカインズ、新たにシュミットと………
「ワーン、ダウーン」
全体的に黒い服装に右手に携えたダガーナイフの刀身は緑色に濡れている。
顔を隠すように被られた頭陀袋のようなマスク。
「デザインは、まあまあ、だな。オレの、コレクションに、加えて、やろう」
やや小柄でこちらも全身黒ずくめ、頭には髑髏を模したマスクをつけ、暗い
『(ジョニー・ブラックに赤目のザザ。
そして………)』
「イッツ・ショータイム、と行きたいとこだが……どうやって遊んだもんかね」
膝上まである黒いポンチョ。目深に伏せられたフード。奴こそこのギルドのトップ。
『(………《
だらりと垂れ下がる右手に握られた特大の中華包丁のような大型ダガーに鋭く睨む。
無意識に噛んだ唇にピリッと痛みが走ることで、私は熱くなりかける気持ちをコントロールした。
聞き耳スキルで奴らの言葉を盗み聴く。
どうヨルコ達を殺そうかの話し合いをしているようだ。
“殺しあって、最後に残った奴を
相変わらず胸糞悪い会話に嫌気がさす。
──カサカサ
『ッ!』
振り返ると、さっきの男の子が両手を胸の前で握りながらこちらへ歩いてきていた。
その無防備な行動に私の背中に嫌な汗が流れる。
『だめ「誰だぁ?」ッ!?』
しまった!
彼の目の前に黒い影が覆いかぶさる。
頭陀袋のマスク……ジョニー・ブラックか!
緑色に濡れたダガーが男の子に向けて振りかざされる。
硬直し動けない男の子。
スローモーションで流れる光景に私は……
『ッやめろ!!!』
体が動いていた。
その光景に驚く一同の中、狂気に口角を上げるやつが1人いた。
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シオン(プロフ) - 続き待ってます (2021年10月20日 18時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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