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「Aくんもそう思うだろう？」
『ん？』
突然降ってきた矛先に一瞬呆けるも、目を伏せ顎に指を添えて考える。
『そうですね……見せてもらったスピアのデータから高価な武器でないし、あれでボリュームゾーンのタンクを一撃死させようとなると……レベルは最低100は必要でしょうね』
「ひゃくぅ！？」
思わず素っ頓狂な声をあげたアスナに苦笑を返す。
あくまで、これも仮説の域だ。
「い、いるわけないわよ、そんな人。今までみんながどんだけ激しいレベリングをしてきたか……レベル100なんて……24時間、最前線の迷宮区にこもり続けたって絶対にムリだわ！」
『アスナちゃんに同意見』
「私もそう思うね」
一応 攻略組の自分でさえ80になったところなのに。すでにレベル100なら尚更 攻略に積極的になってほしいものだ。
最後の抵抗とでも言うかのように、「2人目の《 ユニークスキル》が現れたのかも」と口篭りながら言うキリトに
ヒースクリフは「そのようなプレイヤーがいるなら真っ先に血盟騎士団に勧誘している」とかすかに笑った。
キリトくんや、自分で自分の首縛ってどうするの。
「うーん、いけると思ったんだけどなぁ」
明らかに落胆に肩を落とすキリトの前にドンと効果音を立てたのは忘れかけていた注文の品。
「なんなの、この…料理？ラーメン？」
だよねアスナちゃん。わかるよ その反応。
私も初めてこれを目にした時は同じ反応をしたもの。
同じことを考えていたのか目が合ったキリトをジト目で睨むと、目を泳がせ逸らされるように安っぽいワリバシを渡された。
どんぶりの中に色の薄いスープと沈むちぢれ麺。
ラーメンもどき。
ノレンの外でかさかさと乾いた風が吹き抜け、表で謎の鳥がクァ〜と鳴いた、気がした。
「……これはラーメンでは無い。断じて違う」
隣で珍しいボヤき声。
アスナは苦笑いを返しキリトは素直に同意していた。
周りでワリバシを置いた音が聞こえる。
あれ、食べ終わってないの私だけ？
あと少しの麺もどんぶりのそこで確認できる。それくらい色が薄いスープ。
「……で、団長どのは何か閃いたことはあるかい？」
「では、この偽ラーメンの味の分だけ答えよう」
私は最後の麺を啜り、ワリバシを置いた。
ヒースクリフは言う。
「……現時点の材料だけで“何が起きたのか”を断定することは出来ない。だが、これだけは言える。
いいかね……この事件に関して絶対確実と言えるのは、君らがその目や耳で見聞きした1次情報だけだ」
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シオン(プロフ) - 続き待ってます (2021年10月20日 18時) (
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