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迷宮のような
あー、ここかと1人納得する。
キリトって癖のある場所好きだなホント。
自分はどちらかと言うと長閑なところが好きで、こうごちゃごちゃしている場所は無性に隠れたくなる。
本日２回目の帰りたい衝動を抑えながらみんなの後に続いて店に入った。
狭い店内は、思った通りの無人だった。
安っぽい4人がけテーブルに座り、陰気な店主にキリトが注文をしてから、曇ったコップで氷水をすする。
右斜め前のアスナがいっそう微妙な顔で呟く。
「なんだか、残念会みたくなってきたんだけど……」
「気のせい気のせい。それより、忙しい団長殿のためにさっそく本題に入ろうぜ」
2人の視線が私の隣に向く。
……私、ここにいる意味ある？
ヒースクリフの涼し気な横顔がムカつく私は彼に目を向けることはせず手元の曇ったコップを睨むことにした。
チラチラ流れてくる2つの視線。
昨夜のあらましをアスナが話してくれた。
言い方の違いはあれど内容はキリトに聞いたものと同じで、復習の意味で彼女の説明に耳を傾ける。
それが終わったら3人の、主にキリトとヒースクリフの討論会が始まるわけで。
私は聞き専に徹しながら浮上した疑問がある。
ヒースクリフがこの世界のシステムに機械的に知識が豊富な事だ。
予想というより断定形で言うその自信はどこからくるのだろう。
不思議な男だ。
「つまり……あの槍のカインズさんを殺したのがグリムロックさん本人なのか依頼されたレッドなのか……いずれにせよ、フル武装の
討論の末をキリトがまとめる。
チラリとヒースクリフを伺い見る姿は採点を待つ生徒のよう。
確かにひとつの仮説としては有り得る。
ヒースクリフも有り得ると回答しすぐに だが、と続けた。
「貫通武器の特性というのは、１にリーチ、２に装甲貫通力だ。単純な威力では打撃武器や斬撃武器に劣る。重量級の大型ランスならまだしも、ショートスピアならば尚更だ」
きっとキリトも考えていただろう痛いところをつかれたという顔をしている。
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シオン(プロフ) - 続き待ってます (2021年10月20日 18時) (
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