ノヴィルーニオ・ストーリア【SAO】 (ページ20)

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＊

何がダメだ前に出るな、だ。
かっこつけてるつもり？
それとも『それで守ってるつもりなの？』

…笑わせる。
ここまで連れてきて指を食わせて待てをされるなんて犬にでもなった気分だ。
私は……

『忠実な犬じゃない！！』
私は叫びながら飛び出した。
足は真っ直ぐニコラスと剣を交えている彼に向き、私は手を伸ばして……彼の首根っこを鷲掴みにした。

「ぐぇっ！？」
そのまま後ろに振りかぶって投げる。
変な声なんか聞こえてないし。

そう、無理やりスイッチ(交代)したのだ。

ニコラスが雄叫びを上げて斧を振りかざしてくる。
私は短剣でそれを受け止めた。

「ｯ無茶だ！Aの防御力じゃ奴の攻撃は受け止めきれ
『じゃあなんで私をここに連れてきた！！』っ！？」

仮想世界でも火事場の馬鹿力って存在するんだね。
私は重いはずの斬撃を全ていなしその流れで顔面に横蹴りをお見舞いした。
ニコラスは吹っ飛び雪の中に沈みダウン。

その隙に
振り返り尻もちをつきながら唖然と私を見上げる黒い彼の襟元を乱暴に掴み引き寄せる。

『アンタがここに私を連れてきたのはっ助けてほしいからじゃないのか！？』
至近距離だろうがお構い無しに怒鳴る私にキリトは圧倒されているのか言葉も出ない。

「ｯ！」

避けてきたはずのソロじゃない誰かが隣に居続ける旅。
機械的だったパーティーでのダンジョン攻略もレベル上げも、一喜一憂して挑めたのは悔しいけどキリトのおかげだ。
彼が私を引っ張りあげていなかったらきっと
あの日に私は…………ああ、そうか。

だからキリトは守ろうとしていたんだ。

『私が自殺しようとしてたから……』
呟きに、目の前の彼が目をそらす。
当たりってわけか。

拍子抜けして手を離すと彼は膝立ちで気まずそうに私を見上げていた。

『そう、そういうこと。
……生憎だけど私は守られるだけの存在じゃないから』

守られるより守る側でいたい。

だから『頼ってよ』
貴方の背中を守らせてｯ

今更見捨てないでよｯ

……私をっ『独りに、しないで…』

視界が歪む。
嫌だこんな所で泣きたくないっ…のに…

見られたくなくて俯いた。
下から手が伸びてきて私の頬に触れた。

＊