守りたいもの【派生、SAO二次創作】 (ページ10)

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──脳を、破壊？それってつまり……

「死、ぬ？」
代弁するかのような誰かの呟きに、ウチの頭は刺激された。
反射的に震えた肩を由唯くんが抱き支えてくれている。
彼がいなかったらもっと冷静さを失っていただろう。
それくらい衝撃的なのだ。

どこかでそんなことは出来るわけがない！と叫ぶ声が聞こえる。
ならこれはただのびっくり？
それにしては大袈裟すぎる。

《「より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊の試み──以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実効される。条件はすでに外部世界では当局及びマスコミを通して告知されている。
ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり──」》
ウチは、未だ腕の中でぐったりと目を瞑る男の子に目を落とした。
揺すっても起きる気配のないその子にウチは不安を募らせる。

《「結果は──残念ながら、既に二百十三名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している」》

『──ｯ？！起きて！』
今度は強く揺すって起こす。されど男の子の瞼はピクリとも動かなかった。
すると、

『な、に？』
男の子から仄かに光が走った。それは次第に体全体を包みそして、

パリィ……ン

まるでガラス塊が割れるような大音量とともに、男の子が砕け散った。

『……ぇ』
先程まであった温もりと重みが一瞬にして消え失せたことに、ウチの理解が追いついていない。
残像のように残る光の粒が手の中から消えていく様を、ウチは唖然として見送る

『……なん、で？だって今さっきまでここに─
「ｯせっちゃん！」』
理解できない思いは粒となって目から溢れる。
名を呼び抱きしめてくれる由唯くんの腕の中で、ウチはその粒を流すことしか出来なかった。

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